2015年11月20日(金) | 保育
telacoyaでは、常に「子どもたちとってどうなのか?」「大人の都合や目線になっていないか?」を考えます。
子ども同士で育ち合って欲しいと願っていても、それに向けて脚本を大人が作るわけには行きません。
でも、必ず「子ども同士で育ち合う場面」が生まれます。ここか!?というところで出くわします(笑)
その度に、ああ、日々の保育間違えていなかったな。。。と後から再確認すること、とても多いです。
わがままじゃない?
少し、長い間お出かけをしてお休みしていたお山ちゃん(年少児)のAちゃん。
しばらくぶりだし、日常が戻るまで少々時間かかるかもね、と大人は数日の間 様子を見ていました。
そんなある日。いつもの山の休憩場所で、お水を飲むのが遅くなり、次への出発に少々手間取りました。それでも、みんなの後ろ姿はちゃんと見えているので、追いかければ済むこと。よくあることです。いつもならニコニコ追いかけていきます。
でも、この日のAちゃん「みんな 待ってて〜〜〜」と泣き叫び、手が動きません。
追いつくものも追いつかなくなってしまう状況。
なんとか、急いで支度をして追いかけ、涙はパッと引っ込みました。
そして、次はお昼の準備。シートにサッと座って準備を進めることにまたまた出遅れました。telacoyaでは、空いているところを自分で見つけて座ります。おひさま(年長児)が手拭きタオルを配り、手を拭いた人から「いただきまーす」と食べ始めます。
でも、その日のAちゃん。「Bくんの隣に座りたい!!!!」の一点張り。すでに食べ始めているみんなにそれをアピール。
みんなが「こっち空いてるよー」と空いているところをいろいろ伝えるも「ここがいい!」と動きません。Bくんも、その両隣の子も、みんなお弁当広げて食べ始めているので、動くに動けず、あっち空いてるよとアドバイスするのみ。
他のみんなも食べながらも、どうしたものか?と困っていました。大人は、子どもたちがどうするのかを見ていました。
どこかで諦めて空いているところに行って食べ始めるかな?と思って見ていましたが、頑として動きません。
食べ終わりそうな子も出てきました。それでもAちゃんは「ここがいい」と泣いて動きません。
「わかったよー」とBくんの隣にAちゃんのスペースを空けるべく、全員がズリズリ横に移動。お弁当をひっくり返したり、色々になりながらも場所を空けました。
やっとAちゃん食べ始めます。
そんな訳で、食べ終わるのも遅くなり、次の移動の際、食べ終わっていないということに。
その日はそこの山の上から、逗子海岸まで行って、逗子海岸で遊びたいというのが、散歩コースを決めた子どもたちの理由でした。しばらくは、山の上で遊んでAちゃんを待ちました。でも、一向に急がない。一向に終わらない。
終わった??と何度か聞きに来る友だちに「まだー」とAちゃん。
このままでは、逗子海岸に行って遊ぶ時間はなくなってしまいます。「どうする?先に行ってる?」「後から追いかけるよ」と待っている子どもたちを話しているのを聞いたAちゃん。「ダメーーーーまだ行かないでーーー」と大泣き。
Aちゃんに「私が待っているから、後から一緒に行こうか?」と聞いても「ダメーーー」と大泣き。
「じゃ、このままみんなにずっと待っててもらうの?もう大分待っていてもらっているの分かってるよね?」
「うん」
「だから、後から行こうよ」
「ダメーーーー」
子どもたちからも、「逗子海岸で待っているからさ、来てね」という声も出てきて、先に出発してもらうことに。
大泣きに泣いて、なんとか終わって追いかけます。
遅れること、20分以上。逗子海岸が見えてくると「あー!Aちゃん来た!」と駆け寄ってくれる友だち。
「ほら、待っていてくれたよ。良かったね。」
「うん、ありがとう」
たくさん遊んでの帰り支度。
またまた出遅れ気味になり、あれが出来ない、これが出来ないと大泣きのAちゃん。いつもなら出来るのに。とても上手に。
今日はよく泣いちゃうね、、、と、海ちゃん(年中児)のCちゃんが手伝う、おひさま(年長児)のDくんも手伝う。
海ちゃんのEくんが「あのさ、泣いていても出来ないよ。やっちゃおうよ」と声をかける。
「だって、だって、、Cちゃんがやっちゃったからー」と泣く。
Cちゃん「え?Cは、出来ないって困っているから手伝ってあげただけなのに、、」と困り顔。
「Dくんだってやっちゃったー。一緒にやりたかったのにーー」と泣く。
Dくん「ちょっとちゃんと聞いて、靴がないって泣いてるから、ここに持ってきてあげただけでしょ」
「そーだけどーー」と泣く。
これから50分くらい山登って帰らなければならない子どもたち。
みんな準備万端、リーダーも人数かぞえを終えて出発をするのみ。
Aちゃん、まだまだ準備出来ていない。
今日は、ゆっくり付き合うか、と思いながら「みんな先に帰っていていいよ。私また後から一緒に追いかけるから」と子どもたちに声をかける。
「ダメーーーーーーーーーー」と大泣きのAちゃん
みんなは出発しかけるも、あまりの大絶叫に全員戻ってきた。そして、みんなでAちゃんを囲む。全員で囲む。
「ねぇ!泣いているだけで支度しないと、後からだって出発出来ないよ!」
「何が出来なくて泣いてるの?泣いていても仕方ないよ。何が出来ないか言ってみて」
「やってあげようか?」
「ヤダーーーー」とまた泣くAちゃん
こんな繰り返し。
いい加減に私も「ねぇAちゃん、これは わがままっていうんだよ。手伝ってもらうのもイヤ、先に行っちゃうのもイヤ、ただ泣くだけ。それはずるいよ。だから、みんな 待たなくていいから。私が待つから。みんなは、これ以上遅くなったら、おやつ食べる時間もなくなるし、先に行っておやつ準備しておいて。間に合わなかったら、食べていていいから。必ず行くから。」
すると、おひさまの男の子数人が「いいよ、おやつ食べなくても」と。
それを機に「いいよ、おやつ食べられなくても、待ってるよ」「だから、早くお支度して!ね、Aちゃん!」と子どもたちが口々に言い出した。
「え?本当に?全員おやつ食べられなくなっても、いいの?Aちゃんのこと待ってるの?」
「そう」怒ってもいない、笑ってもいない。Aちゃんを信じる顔。
大人のこっちが泣けて来た。
「Aちゃん、みんな、おやつ食べなくてもいいって。それでも、Aちゃんと一緒に帰れるように待ってるって。どうするの?それでも、ただ泣いているの?今、Aちゃんがするべきことは、泣いてること??」
「違う。お支度する」
ここからは、早かった。
全員でここから走って帰れば、みんなおやつ間に合うかも!?!?ということで、みんなで山道ダッシュ!
全員おやつを無事に食べられましたとさ。
そして、、、、、、
数日後。Aちゃんのお母さんから。
本人が わがまま言いすぎたと言ってること。
みんなに合わせる顔がないような「後悔」をしている発言があることを伝えてくれました。
しっかりとAちゃんの心に伝わっていて嬉しかったです。
骨折した友だち
お家で転んで右腕を骨折してしまったFくん。
子どもたちに伝えると「え?どうなってるの?包帯?」「どっちの手だろう?右だったらご飯食べるの大変だ!」などと心配していました。
右だって、と伝えると「エーーー!」
そこで、みんなで右手をTシャツの袖から抜いて隠して、左手だけで散歩の支度をすることにしてみました。
やってみると。。。。。
「帽子がかぶるの大変だった」
「リュック背負うのが難しかった」
「トイレが難しいよね」
「帽子の紐がうまくできない」
いろんなことが分かります。
「あ、水筒開けられないんじゃない?」
「お着替えはどうするんだろう?」
「みかんむけるかな?」(笑)
出来ないんじゃないかな?と思うことへの想像が広がります。
Fくんがtelacoya来たらさ、手伝うよ!
僕も、私も!
相手の気持ちになること。
大人も出来たら、、、、戦争なんて起きないのにね。