おひさま劇場
2016年10月26日(水) | 保育子どもたちがやりたいと始めたこと。
子どもたちがお客さんに見せたいと準備したこと。
子どもたちがお話を考えて、小道具を作って、演じる場所を考えて、歌も歌詞を作って、進めて来た「おひさま劇場」
思えば「練習しますよー」「練習しなくていいの?」なんて大人はたったの一度も言ったことないな。
6月からこの10月までの間、一度も。
今日、おひさまだけで練習していい?
道具作ったけど壊れちゃっているから直していい?
歌を2番といつも間違えちゃうから、もう一度みんなで歌おうよ!
チケット作るのいつやる?
こういう声はいつもいつも子どもたちからだった。
大人がすぐに動かないと、心配になって何度も確認しに来たよね。
当日の朝。
一人一人が登園してくると、みんな緊張している。
遊びもどこか上の空。
出発前に一度おひさまだけを集めて丸くなってみんなの顔を見るようにとだけ言った。
すると肩を組み、顔を寄せ合い、口々に言いだした。
「みんなで力を合わせれば大丈夫だよね」
「失敗したってみんなで助けよう」
「みんなで一緒にやることだから心配しないで大丈夫だよね」
「よし!頑張るぞ!!!えいえいおー!」
一人一人の心細さや心配でいっぱいだった気持ちは吹き飛んだみたいだった。
そこから会場に向かう道々、歌は劇の最後の最後に唄う歌だからそこはカッコよくね、と声をかける。
すると、歌おう!と子どもたちが歌い出した。
まだ何となく気持ちがふわふわしているのか、何度も間違えてた(笑)
でもその度に大笑い!誰も責めない。あーまたやっちゃったー!あーそうだったそうだったー!と、和気あいあいと歌っている。
その様子だけで もう十分なほど「いいなぁ」と思った。
会場に着く。そこは広い芝生の上。後ろは海。ちらちらとお客さんが座っている。
一回、お客さんの席の周り走って来たら?と声をかけると わー!!!!と走り回る(笑)
そして、準備を始める。やっぱりまだ緊張してるなー!伝わってくるよ、ドキドキが!
おひさまの準備の間に、海ちゃん、お山ちゃんが前座のダンスを見せてくれた(笑)
おひさまも準備しながらそれを覗き見て笑い出し、ほぐれる緊張。
そして、いよいよ開演。
最初から最後まで子どもたちでやり切った。
終わってから、たくさんの嬉しい感想をお客さんから頂き、本当に嬉しそうな表情のおひさまたち。
お配りしたチケットには皆さんに感想を書いて頂いた。
お弁当食べながら、1枚ずつ読み上げていくと「何だか嬉しくて涙が出て来そうだ、、、」と。
「一人じゃ出来なかったね」と。
「おひさま全員がいたから嬉しかったんだ」と。
チケットも、1枚1枚手作りだったので、読み上げる前にチケットを見るだけで誰のものか、誰にあげたものか分かっちゃう。
それは頂いた側の海ちゃん、お山ちゃんも同じ。自分がもらったチケットはすぐに分かっていたよね。
それほど大切なチケットだったんだよね。
子どもたちのやる気と持っている力を信じて、精一杯そのやる気と力を引き出すことが大人の役目。
発表会ありきで、行事ありきでの保育をして来たけれど、子どもたちの見せたい気持ち、やりたい気持ちが熟した時が一番の見せ時。
6月から始めたけれど、夏休み明けには忘れちゃっているのかな?と思ったこともあった。
でも、ちゃんと子どもたちの気持ちは続いていた。だって、まだ出来上がっていないし、誰にも見せていないからって。
9月になってやりたいというので、やってみたら?と時間を作ったら、ほぼ完璧にみんな覚えていた。
自分たちから出た気持ちは本物だよね。
来年は発表会したいっていうかわからない。
来年のおひさまには来年の子どもたちにしか出来ない何かがあるはず。
それを見つけて、精一杯引き出してあげたいな。
それが何なのか?今から楽しみで仕方がないよ。
今年のおひさま劇場を見て、やってみたい!と思う子。
やりたくないって思う子。両方いるだろうな。
その時、また話し合って決めたらいいよ。
大人の思う立派な衣装じゃなくても、立派な小道具じゃなくても、立派な会場じゃなくても
おひさまにとっては、大切な衣装、大切な小道具、そしてみんなにぴったりの会場だったね。
翌日、動画を見て 自分たちにいろいろダメ出ししてたね。
そんなおひさまも愛おしいよ!
大きな自信になったのは間違いないね。これからもますます楽しみだよ!